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東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22
BCPって常識?
揺れがおさまったら・・・発生直後の初期活動(数分後~数時間)
中に人がいるのに防火シャッターが閉まったため、パニックになった

- まだ中に人がいるのに防火シャッターが閉まったため、「閉じ込められる!」とパニックになった(東京都下・教育系)
- 通路に置いたダンボールが崩れて、通りにくかった(千代田区・出版)
火災の延焼や拡大を防ぐために、設置が義務付けられている「防火扉」や「防火シャッター」。大震災の時に初めて目にしたという声をよく聞きました。普段は見えないように収納されていても、火災が発生すると煙感知器と連動して、自動で閉じる仕組みのものが多いのですが、火災が起きていないビルでも、防火扉が作動したところもありました。これは地震の強い揺れによって、誤作動を起こしたためです。
また、全員の避難が終わっていないのに防火シャッターが降りてきて、「閉じ込められる!」と思ってパニックになってしまった方もいらっしゃったようです。
対策避難経路にある防火扉・防火シャッターは、閉じ込められることはない。落ち着いて通り抜けよう。
(防火シャッターの場合は避難扉を利用)

もし閉じたとしても焦る必要はありません。避難経路上で防火扉やシャッターが設置されている場合、それが閉じても避難経路が確保されなければならないと決められているからです。
防火シャッターの場合、一度閉じられると通行することは不可能となりますが、避難経路を確保するためシャッターのそばに別途「避難扉」を設ける決まりになっています。
こうした「防火シャッター+避難扉」の場合、万が一の際に混乱しないよう、避難訓練などでどう避難するのか試しておきましょう。無理に出ようとすると、床との間に挟まれ怪我をする可能性もありますので、落ち着いて避難しましょう。
また、火災時に避難する際は、出火階の人が全員階段室に避難した時点で防火扉を閉めるということをお忘れなく(手動で動かすタイプの場合)。
参考避難経路に物を置いてはいけない理由
たとえ地震で防火扉が誤作動で閉まっても問題はありませんが、逆に火災が発生したときに、閉まらない!となると、煙や炎を遮断することができず、甚大な被害を引き起こすことになりかねません。
よくあるのが、引越し後のダンボールや専用室内に入りきらない荷物を通路や階段のところに積んだままにしているケース。地震の揺れによって崩れると避難の際の妨げになるだけでなく、火災が起きた場合にうまく閉まらないと炎や煙の広がりを止められません。避難経路には、物を置いてはいけないというのは、そういった場合があるからなのです。