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東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22
BCPって常識?
揺れがおさまったら・・・発生直後の初期活動(数分後~数時間)
そういえば消火器ってどこにあるんだっけ?

- そういえば消火器ってどこにあるんだっけ? (中央区・不動産関連)
- オフィスにある消火栓って消防隊のためのものじゃないの? (豊島区・専門商社)
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火事の現場を見つけたら、どうやって消火しますか?119番通報をしたとしても、消防隊が到着するまでは、自分たちで初期消火活動を行わなければなりません。まず思い浮かべるのは、消火器だと思いますが、では設置場所はどこか知っていますか?消火器の使い方はなんとなく分かるという人は多いのですが、盲点なのがその設置場所。質問してみると、意外と答えられない方が多くいらっしゃいました。
実際に消火器を使ってみて、その放射時間の短さに驚く方もいらっしゃいます。通常の粉末タイプの消火器で約15秒から30秒。あっという間に消火剤が無くなってしまうのです。
またビルの規模によっては、屋内消火栓が設置されています。消火器とセットで設置されていることも多いのですが、実はこれを「消防隊専用」と思われている方が多いのです。
対策消火器は20m以内に設置されている。屋内消火栓とともに場所と使い方を確認してみよう。

<例>消火器

<例>屋内消火栓
消火器は、消防法が定める設置場所に関する規定で、ビル内の各階ごとに設置されており、歩行距離が20m以内の場所に置いてあります。この20mという値は、実際の歩行での距離をあらわしているので、フロアー内が入り組んでいるケースでは、もっと近くに配置されています。気にして見ていないだけで、意外と近くにあるのです。放射時間は短いので、できるだけたくさんの消火器を集めて消火にあたりましょう。また、消火器を煙に向けて放射しがちです。燃えている物体(火元)に向けて放射しないと消火できないことを知っておきましょう。
初期消火するか逃げるかの判断ですが、火が天井まで届くような大きさになったら、消火はあきらめ避難しましょう。また地震により屋内消火設備が破損するなど消火ができない場合も、速やかに避難しましょう。
屋内消火栓は、消防隊が使うことももちろんありますが、基本的にはビル内にいる人が、消防隊が現場に到着するまでの初期消火をするために設置されているものです。いざという時に、使えないと困りますから、消火器と合わせて設置場所、使い方を確認しておきましょう。
参考火災は発生していないのに、スプリンクラーから水が噴き出した

<例>スプリンクラーヘッド
3月11日の地震発生時に、火事が発生したわけではないのに、火を消すためのスプリンクラーから水が噴き出したという事例がいくつかありました。火災が発生した訳ではないのにどうしてでしょうか?
それはスプリンクラー用の配管や、天井に出ているスプリンクラーのヘッド部分が、地震の揺れによって損傷したり、変形したことで、水漏れが起きたからです。スプリンクラーは自動消火をしてくれる優れものですが、間違って作動すると、オフィスを水浸しにしかねない欠点も持っています。水漏れを発見したらすぐに管理会社に連絡をして止めてもらいましょう。
また、普段からスプリンクラーヘッドのそばに間仕切りをしたり、物を置いたりすると、火事の時にきちんと作動しないこともあるので、レイアウト変更をする際には気をつけましょう。