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東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22
BCPって常識?
オフィス再開に向けて
復電時に注意しなければならないこと!

- 世の中が復電したら、ビルもすぐ復電するんでしょ?(豊島区・美容関連)
以前に電気が止まると水も出なくなる場合があるという事例をご紹介しましたが、電気は一旦止まってしまうと、復旧する際も細心の注意を払わなければならないものなのです。というのも、阪神・淡路大震災では、電気の供給再開時に発生した「通電火災」が多くあったのです。火災285件の原因を見ると、「不明」の146件を除けば「電気による発熱体」が29.8%(85件)とトップで、その発生時刻も地震後数日を過ぎてからのものが多く含まれていました。送配電が復旧しても、ビル側での点検をはじめとする通電準備が整わない限り、復電はできないものなのです。
対策ビルの電気復旧は、公共のライフラインと同時ではない。電気が復旧した際に火災が起こらないよう、スイッチを切る、コンセントを抜くなどの対策をとっておこう。
図は、首都直下地震が起きた際の、電力復旧目標をあらわしたものです。これを見ると、「6日で電力は復旧するんだな~」と思われるでしょうが、これはあくまでも公共のライフラインの復旧目処であって、各々のビルの復旧目処ではありません。
というのも電気の復旧は公道上の電線等の補修が復旧とされ、公道上から各ビルへの引き込みは各ビルの負担となっているからなのです。
ビル側の電源復旧は、各ビルの電気主任技術者が確認しながら作業を進めることになっていますから、オフィスに電気が復旧し、仕事再開に至る日数は、この復旧目標日数にプラス数日が必要となってくるのです。ちなみに、そのビルに公共性の高いもの(たとえば病院や銀行など)が入っていると、復旧が早いということがあるようです。
大地震などで電気の供給がストップした後は、数時間から数日後に電気の供給が復旧しますが、その際には「通電火災」が発生することがあるので注意が必要です。避難していて誰もいない部屋で、付けっぱなしであった電化製品に急に電流が流れる、あるいは家具や落下物のために断線した電気コードがショート等を起こすなど、さまざまな原因が考えられます。
オフィスビルの場合、念のためパソコンやコピー機など電化製品のスイッチを切ってコンセントからプラグを抜いておくと安心です。特にサーバやパソコンはデータを守るという意味でも、停電した場合、どのように復電するのか決めておくといいでしょう。