総務なんでも知っトク情報

ザイマックス不動産総合研究所 提供

ちょっと気になる
知って役立つ
オフィスの話題をお届け

東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22

BCPって常識?

オフィス再開に向けて

ビルに非常用発電機があるから停電しても大丈夫?

ビルに非常用発電機があるから停電しても大丈夫?
  • ビルに非常用発電機があるから停電しても大丈夫だと思っていた(新宿区・コンサルティング)
  • サーバだけは止められない!どうしたらいいの?(中央区・人材サービス)

3月11日の震災で、都心のビルは比較的被害が軽いものでしたが、ビルに直接的な被害がなくとも、電力不足などにより電気の供給がストップすることがあるんだということを実感された方が多いと思います。当初は都心でも大規模な計画停電が実施されるとの発表があり、ビルに入居されている企業から、停電になった場合の質問が数多く寄せられました。

  1. ●ビルに自家用発電機はあるの?
  2. ●停電時の非常用発電設備はある?

などといったもので、「もしビルの設備として非常用発電機があるなら、停電時でも専用室へ電源供給をしてもらえるのか?」を確認したいというものでした。とくに社内にサーバを置いている企業からは、「サーバの電源が落ちたら大変!!非常用発電機で電源を用意してほしい」といった要望も聞かれました。

対策ビルの非常用発電は、消防設備や防災設備などへ電源供給するために設置されているもの。専用室への一般電源供給用ではないことを知っておこう。

一般のオフィスビルの場合、非常用電源は専用室への一般電源供給用ではありません。一定規模のビルには通常、地震や火災などで一時的に停電した場合、電源を供給するための設備が用意されていますが、これらは非常時において人命を守るための避難用誘導灯・スプリンクラー設備・非常用エレベーターなどを一定時間動かすのが主目的です。「火災で停電になり、暗くて避難できない!」などという事にならないよう、そういった共用設備に非常電源を設置するよう法律で定められているのです。

ちなみにその非常用電源の使用時間には制限があり、設備によっては20分~30分程度で切れてしまうものもあります。ビルから避難をするのに必要な最低限の時間だけ電源が供給されることになっています。

一方、入居している企業のパソコンやサーバを動かすために非常用電源、自家発電装置を供給できるビルは少なく、24時間365日、一瞬たりとも途切れることなく電源を要するような事業(データセンターや半導体工場など)を行っている場合は、大型のハイスペックビルかデータセンタービルに入るか、もしくは別途自ら電源を用意するしかありません。ただし、今回の震災をきっかけに、今後新築される大規模なオフィスビルに、別途入居テナント用の非常用電源を用意するケースなども見られ始めています。

参考サーバのシステムダウンを防ぐ方法は?

◆データセンターにサーバを置く
自家発電設備を持っており、多くのデータセンターは数日程度の停電であれば、電気の継続供給が可能です。
◆サーバを分散させる
複数のオフィスがある場合はサーバを分散させ、どちらかが停止しても片方で業務を継続できるようにすることがリスクヘッジとなります。
◆自社サーバを持たず、クラウドサービスを利用する
クラウドサーバを利用する、アプリケーションだけクラウドを利用するなど、どの範囲か選択可能です。