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東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22
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歩いて帰れると思ったけど、ヒール靴で足が痛くなった

- 歩いて帰れると思って会社を出たけど、ヒール靴で足が痛くなった(千代田区・団体)
- 会社の車を利用して、同じ方面ごとにグループをつくって分乗帰宅させた(新宿区・福祉サービス)
今回の震災では、首都圏の交通機関が停止したことで、多くの帰宅困難者が発生しました。当日帰宅できなかった(しなかった)人が一都三県で約260万人と推定されています。地震発生が午後2時台だったため、会社の就業時間である17~18時まで待っての帰宅になったところが多かったようです。
自宅になんとかして帰りたいと多くの人が思いますが、徒歩で歩いて帰ったとしても、途中で体力の限界に達してしまった人もいるようです。特に女性は、ヒール靴が多いので、脚を痛めてしまうこともあります。
社宅がある会社などでは、そこを休憩地点として利用したところもあったようです。
また、仕事で車をよく使う会社や、車通勤者が多い会社などでは、同じ方面ごとにグループをつくり、分乗帰宅させた会社もあるようですが、「結局10時間以上かかったから、歩いた方が早かったのかも・・・」というような声もありました。
対策徒歩で帰れる距離は20Km。自宅まで歩けない人は、会社に留まることができるよう備蓄品の準備を。主な幹線道路は震度6弱以上になると緊急車両以外は通行できなくなるので、帰宅の足としては利用できないと想定しておこう。
一般的な人が徒歩で歩ける距離は、20Km(5時間程度)と言われています。あなたの自宅は20km圏内にありますか?やみくもに会社を出てしまうと、途中で力尽きてしまうことにもなりかねません。あらかじめ帰宅ルートを調べ、どのくらいの距離なのか確認しておきましょう。
東京都ではこれまでも、徒歩帰宅者が帰宅する際に、沿道の店舗等で、水やトイレ、及び情報提供を受ける「災害時帰宅支援ステーション」の整備を行って来ました。今回の震災では、その認知度が低く、利用につながらなかったり、「避難所」と混同され、食料や水を求めるなどの混乱もあったそうですが、帰宅ルートのどこにそういった場所があるのか調べ、正しく利用しましょう。
電車が止まってしまったため、タクシーやバスなど車で帰宅したという人もいらっしゃいますが、これは都内の最大震度が5強であったからできたこと。震度6弱以上になると、都内の主な幹線道路は緊急車両以外は通行禁止となり、都心をぐるりと囲む環状7号線の内側は、都心から郊外に向かう車しか通行できなくなります。
また、こうした規制は、震度5強でも被害状況に応じて実施される可能性もあります。

参考災害時帰宅支援ステーションとは
震災時、交通が麻痺した際に徒歩帰宅者に対する「水道水」「トイレ」「道路情報」を提供するコンビニエンスストアやガソリンスタンドのこと。あくまで「災害発生時の状況下で判断して、可能な範囲の支援活動」を、ボランティアで行っています。
支援内容
- 1. 水道水やトイレの提供
- ただし、震災により水が利用できない場合がある。また、商品は無料提供ではない。
- 2. 情報提供
- ラジオなどで震災の状況などを確認できる。また、周辺地域の状況などの提供も行う。
- 3. 一時的な休憩所の提供
- あくまでも休憩所であり、避難所ではない。