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東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22
BCPって常識?
初期活動が終わったら・・・判断、対応
一時避難してオフィスに戻ろうとしたらビルに入れない

- スレスレのところで当たらなかったが、天井パネルが落ちてきた(新宿区・不動産関連)
- ビルに入ろうとしたら避難階段の扉が閉まっていた。鍵は持っていないため、管理会社が来てくれるまで、外で待つしかなかった(千代田区・販売サービス)
<例>入室できなかったオフィスの平面図
東日本大震災が起こった当日、「ビルに入れなくて困っている。なんとかしてほしい・・・」という連絡が入ったビルがいくつかありました。地震発生時、みんなを駐車場などに避難させた会社も多いと思いますが、「どうやらビルも大丈夫そうだ。さあオフィスに戻ろう!」となった時、どのような経路で入室しますか?
普段、エレベーターを使って入室することが多いと思いますが、エレベーターは強い地震が発生すると、ほとんどが一時停止します。その後、自動で復旧する場合もありますが、保守会社による点検を行わないと復旧しない場合もあります。
ですのでエレベーターが停止している場合は、避難階段から入室するということになりますよね。でも「避難階段の扉に鍵がかかっていてオフィスに入れない!」ケースが発生したのです。もちろん、各ビル毎に仕様は様々ですので全てのビルで起こることではありませんが、あなたのビルの場合はどうでしょうか? ちょっと想像してみてください。
対策管理会社に鍵を持ってきてもらうか、エレベーターの復旧を待つしかない。いざという時に焦らないよう、避難階段のセキュリティや管理の運用がどうなっているのか確認しておこう
ビル内から外への避難は可能でも、防犯上、部外者が入室できないよう、避難階段の扉は常に閉まっているビルがあります。避難階段側にも機械警備が設置されていればロックを解除し、問題なく入室できる場合もあるでしょう。でも慌てて鍵(カードタイプなど)を持たずに外に出てしまって、部屋に入ろうとした時点で「あれ?」となってしまったり・・・
ただし防犯上、ビル共用部の鍵を貸し出すことは難しいことが多いので、もしそうなってしまった場合は、すみやかに管理会社に連絡し、鍵を開けてもらうか、エレベーターの保守会社に連絡し、エレベーターを復旧してもらいましょう。(ただし、通信連絡手段が機能していない場合は、最悪、徒歩で連絡しに行かざるを得ないこともあります。)また、いざという時に焦らないよう、普段から入居しているビルのセキュリティや管理面の運用がどうなっているかを確認しておくと良いでしょう。
参考非常用カバーがついているドアノブについて
<写真>サムターンカバー
通常、閉め切りの非常用扉のカギに使用されているサムターンカバー。写真のようなものを見かけたことのある方もいらっしゃるでしょう。これは、緊急時や災害時でイザという時にカバーを割り、サムターンを回して脱出するためのもので、普段は使用しないようにカバーがついています。