月極駐車場の確保
オフィス移転に関わる重要な要素

オフィスを移転する際には駐車場探しも大切

オフィスの移転をするときには立地や賃料などがもっとも重視される条件かもしれません。しかし、営業車両が必須だという業種の方や、車での移動が多いという企業様にとっては月極駐車場の有無というのも重要な要素となります。

希望する条件として駐車場が必須だという場合には、これはという物件があっても駐車場がないことで諦めなければならないケースも考えられます。とくに複数台を所有しているケースでは必要な台数分を確保できないということもあります。いくら魅力的な賃貸オフィスを見つけたとしても、月極駐車場がないがためにオフィス探しが振り出しに戻ってしまうのではもったいないでしょう。あるいは、確保が可能だとしても駐車場自体の賃料が高くて移転の予算をオーバーしてしまうということもあります。もっとも良くない失敗例は、先に事務所や事業所の新規開設を行ったあとで駐車場探しをして見つからないというケースなのです。

賃貸オフィス探しの際には駐車場という条件が後回しにされがちです。しかし、事務所賃貸と同様に費用が発生する主要な条件のひとつであることは明らかです。営業や移動などで毎日使うことを考えると利便性の良し悪しは業務効率に直結する要素でもありますし、さらにオフィス移転が駐車場コストや車両コストといった所有する車にかかる費用を見直すチャンスだという考え方もできるのです。

月極駐車場は、ビルに併設されたものでなくても周辺に空きがあるか求めることが可能です。移転をする2~3ヶ月前には候補を確認しておくことをオススメします。それを後回しにすればするほど良い条件で確保できなくなり、いざ新しいビルに移ってから不便を感じることが増えてしまうものなのです。ですから、どのような駐車場が自分たちに必要かどうかを整理して早めの準備をしておきましょう。

駐車場はビル内が良いか? ビル周辺に求めるほうが良いか?

ビジネス利用の駐車場というと、オフィスビル併設のものをイメージする方が多いかもしれません。たとえば、再開発によって誕生した大規模な高層複合ビルなどでは、収容台数の多い大型の地下駐車場を併設していることがあります。荷物搬入用の駐車スペースがあったり、VIP用の車寄せがあったりと設備面も充実。これからの注目としては電気自動車に対応した充電設備付きといったものも増えてきています。

もちろん、賃貸事務所と月極駐車場を探している方が求めているのは、大型ビルばかりではなく中小規模のビルであることも考えられます。ですから、それほどの規模を求めなくてもエントランス前に荷物の出し入れができる駐車スペースがあったほうが良いという方もいるでしょうし、訪問客が多い企業様にとっては来客用のスペースがあったほうが便利かもしれません。このように、単純に駐車場といっても必要とする条件は様々なので、ビル併設のものだけでなくビル周辺にも求めることでオフィス機能を高めることが可能になるケースもあるのです。

そこで、ビル内の駐車場と近隣の駐車場が持つメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

ビル内駐車場の場合

◎メリット
ビル内駐車場における最大のメリットはオフィスから近いということです。雨の日などでも濡れることなく乗り込むことができますし、車両自体も雨風にさらすことなく駐車しておくことが可能。車両の汚れが少なければ洗浄する頻度も低減できます。また、ビル内ならば荷物の搬入や搬出がしやすいという点も見逃せません。そのほか、セキュリティがしっかりしている点もメリットのひとつ。管理人が常駐していることも多くありますし、出し入れの際の誘導を行ってくれることもあります。自走式駐車場が併設されているならば、緊急の要件でもスピーディに対応できる機動力が大きな魅力となるでしょう。

×デメリット
いっぽうデメリットを考えると、まず必要な台数分を確保できるのかという点が重要です。とくに複数の営業車を抱えている企業様にとっては必要台数分を確保するのが難しいこともあるでしょう。また、近隣の月極駐車場よりも割高になる可能性も考えなければいけません。自走式よりも機械式のほうが安い傾向がありますが、ビル内に併設された機械式でも賃料については事前のチェックが必要です。さらにビル内の機械式駐車場については、車両のサイズによって利用できないこともあります。近年は大型ビルでハイルーフ対応のものも見られるようになってきましたが、まだまだ数が少ないのが現状です。そのほか、機械式だと出し入れに時間がかかることも頭に入れておきましょう。

近隣駐車場の場合

◎メリット
希望するオフィスビルの周辺にある駐車場では、まず賃料の柔軟性が大きな魅力となります。ビル内のものよりも割安なケースが多くあり、長く使っていくならばコストダウンに大きく寄与します。設備面でも様々なタイプがあり、機械式と平置き式という区別だけでなく、屋根付きと露天、地面の舗装・未舗装などの違いがあります。屋根のあるなしで値段が変わってきますし、未舗装で露天の駐車場だと平置きの屋根付きより当然賃料は安くなります。あるいは、ガレージタイプものだとちょっとした備品を保管しておくことも可能です。そのほか、使用頻度の多い業種の方ならば、出し入れを考えると駐車スペースが広めのほうが安心だということもあるでしょう。

×デメリット
いっぽうで、近隣に駐車場を求めることの最大のデメリットはオフィスからの距離だと言えます。近場で見つかれば良いのですが、周辺地域まで検索範囲を広げると少し歩かなければいけないケースも考えられます。また、青空駐車場の場合は風雨や強風、鳥の糞などで車両に汚れや傷がついたりするリスクがあります。もちろん、車両カバーなどで対応することは可能ですし、設備の整った駐車場もあるでしょう。しかし、一般的には前述のように設備が充実するにつれて賃料は高くなるというわけです。そのほか、どのような立地かによっても、何度も切り返さないと駐車できなかったり、正面が一方通行で利用する機会が多い方向へは遠回りになったりということもあります。周辺の治安などを含めて現地確認が欠かせないと言えるでしょう。平置き式駐車場では、将来的にビルや住宅を建てるために閉鎖することがある点にも注意が必要です。

オフィス探しも駐車場探しも、まずはプロに相談を

オフィスを移転する際の月極駐車場探しでは、ビル内でも近隣の駐車場でもメリット・デメリットがそれぞれあります。ですから、移転を計画する段階でどのような駐車場が必要か、希望する条件を確認しておくことが大切になります。

※駐車場探しの整理点

  • 予算
  • 台数
  • 所有車両の車種
  • 利用時間
  • 設備面の要望
  • 移転時期

そして、ビル併設のものにこだわるだけでなく、ビル内・近隣をあわせて探していくことが重要です。最近ではBCP対応や機動性を考えて、ビル併設のものに加えて近くの駐車場を確保しておく企業様もいらっしゃいます。それは、機械式駐車場だとメンテナンスや故障、あるいは停電や災害時などに使用できなくなってしまうのでそのリスクを回避するためです。また、機械式だと出入庫が他の人と一緒になるとそのぶん時間がかかります。そのため、緊急時に1台を外に確保しておくとスムーズな対応が可能ですし、営業の機動力を考えて大通りの近くに営業車を配置しておくなどの方法もあるのです。

実際に賃貸事務所を探すなかで良い条件の駐車場を見つけた場合には、移転よりも前に契約して確保してしまうことも長期的に見ればメリットが大きいと言えます。あるいは、移転後に空きが出ることが決まっているという場合には、それまでの期間は時間貸しパーキングを利用するというのもひとつの手です。単純に考えて1日の最大利用料金が1,500円ならば、1ヶ月(30日)で計算すると45,000円となります。これだと月極駐車場を利用するのとそれほど変わらないからです。ただし、最大利用料金が高いケースもあるので注意が必要です。

最後に、オフィス・駐車場ともに良い物件に巡り会えて無事に移転を済ませたあとでも、月極駐車場についてはコスト削減や利便性といった視点から定期的にもっと良い条件のものがないかチェックしていくことが大切です。入居しているビルのものよりも良い条件のものが近場で見つかるかもしれませんし、逆に希望していた入居ビル内での空きが出ることもあるでしょう。会社で営業車を増やす計画があるときも、まとめて借りることができる駐車場があれば利便性の面でもコストの面でも良い効果が得られます。オフィスと違って駐車場の引っ越しは簡単です。ただし、希望に合った駐車場探しは難しいので、相場の確認や空き情報などを含めてオフィス探し同様に、専門サイトのプロに相談することをオススメします。

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