社内クレーム第1位!?
オフィスの空調でお悩みの方へ

この季節、社員から何かと不満の声があがる空調の問題。設定温度が同じでも場所によって寒いと感じる人もいれば、暑いと感じる人もいます。人によって体感温度に差があるとはいえ、そもそもの空調方式に原因があると考える方も多いようです。果たして原因は空調の方式だけなのでしょうか。

CASE ~レイアウト変更・移転時によくある空調問題~

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この担当者は空調方式とは関係のない部分で、トラブルになってしまったようですね。
オフィスの空調については社員からのクレームも集まりやすく、お悩みの方も多いかと思います。
まずは空調方式について理解し、それ以外の原因にはどんなものがあるのか、快適に過ごすためにチェックすべきポイントを確認しておきましょう。

いまさら聞けない!個別空調とセントラル空調の違い

まずは、個別空調方式とセントラル空調方式の“おさらい”をしましょう。

個別空調方式

個別空調方式とは、事務所の一定エリアごとに冷暖房の切換、室温設定、風量設定などを専用室内にある手元のコントローラーによって、一定の範囲で自由に設定できる方式のことです。

セントラル空調方式

セントラル空調方式とは、建物の1ヶ所または各フロアに設置された装置から、各専用室に冷温水や冷温風を送る方式で行う冷暖房のことです。1フロアが300坪を超えるようなクラスの大規模なビルでは個別空調で対応しきれないため、セントラル空調を採用している場合が多いです。

オフィスの空調問題の解決方法として「セントラル空調より個別空調」にした方が良い、といったように空調の方式だけに着目して解決しようとする場合も多いようです。しかし、本来確認すべきポイントはそこだけではありません。どういったポイントに着目すべきなのでしょうか。

快適オフィスのための、3つのチェックポイント

社員がより快適に働ける環境を整えるため、事前に確認しておくべきポイントをご紹介します。

POINT1 “手元”で各種設定できるか?

最近ではセントラル空調方式でも個別空調方式のように、各種設定を個別にできるビルが増えてきました。空調のオン・オフだけでなく、風量や温度の設定などが入居者の専用室内にある“手元”のコントローラーでできたりします。この“手元”で各種設定が可能かどうかを確認しましょう。

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POINT2 ペリメータゾーン

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あまり聞きなれない言葉ですが、建物内でも窓際のように、室温が外光や外気に影響されやすいエリアをペリメータゾーンと言い、内部の外光や外気に影響されにくいエリアをインテリアゾーンと言います。(右図参照)このペリメータゾーンに空調設備が無いと外光や外気の影響で室内の温度差が大きくなりますので、ペリメータゾーンの空調対策を行っているビルかどうかを確認しましょう。

POINT3 オフィスの環境

空調はオフィス内だけの問題ではなく、外部環境にも影響されます。
例えば、全熱交換器(換気によって失われる外気と熱交換・回収する装置)が設置されている場合には、外気を取り入れることによって快適な室内環境を損なわずに空調の負荷を低減することができるため、快適性が高くなります。全熱交換器の設置状況を確認しましょう。
また4コマ漫画にもあったように、オフィスの方角も重要なポイントです。住宅の場合は日当たりを考慮して南向きが良いとされています。しかしオフィスの場合では、夏の強い日差しは業務の妨げになるため、むしろ北向きが良いケースも考えられます。

このように、空調方式だけではなく、上記のポイントも注意して確認することが必要です。

こんな対策が効果的!

オフィスの「暑い」「寒い」の声を緩和し、効果的に空調を使用するには、こんな方法も効果的です。

休業日前はブラインドを閉める!

休日には空調を止めるため、夏はオフィスが温まってしまい、休日明けの朝は必要以上に空調を使ってしまいます。休日明けの暑さを緩和させるためにも、休業日前はブラインドを閉めるなどして、オフィスが温まってしまうことを防ぐ対策をしましょう。

空調温度の低い部屋(場所)をつくる!

外回りの営業の方などが外出先から帰社した際に、身体の火照りを鎮めることができるように空調の設定温度が低い部屋(場所)をつくっておくことも効果的です。
オフィス全体の空調を強める必要がないため、各自の異なる体感温度が原因で起きる空調問題の解消につながることが期待できます。

オフィスとは切っても切り離せない空調の問題。今回取り上げたポイントも考慮して、快適なオフィス環境を実現するための取り組みをしましょう。