11月はオフィス解約の月!?

私たちザイマックスグループで運営管理を行なっているオフィスビルは全国で400棟あまり、そこには約4,500社のテナントさまがいらっしゃいます。そのテナントさまは毎年一定割合で退去され、また入居されているわけですが、その様子を見て気付くことがあります。
意外に思われるかもしれませんが、1年のうちでは11月に退去のための解約予告、そして翌年5月上旬に引越し移転というパターンがもっとも多いのです。それはなぜか?今回はその理由に隠された事情を明らかにしながら、移転検討において参考になるポイントを整理してみたいと思います。

解約予告はなぜ11月が多い?移転スケジュール検討のためのポイントとは?

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1年の中で最もオフィスの開設が多いのが5月です(当社調べ)。 オフィスを移転するためには、内装工事や什器類の運搬・設置、サーバの移設など、活動拠点として実際に機能するための一定の準備期間が必要になります。前述のような作業は、他のテナント様への配慮等から、通常土日祝日に行われます。以前はお盆休みを準備期間にあてる企業も多かったのですが、社員の夏休みをそれぞれ分散して取得させるケースが増えたため、今では減少傾向に。代わって、GWを利用してオフィスの移転を行う企業が昨今増加しています。

GWを利用し、5月に移転先の新しいオフィスを開設する場合、多くの企業は11月中に現在の貸主に対して解約の意思を伝えなければいけません。では、なぜ11月中なのでしょうか?それには、解約予告期間と原状回復工事の期間が関係しています。(下図参照)

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オフィスビルの場合、解約予告期間は6ヶ月と定められていることが一般的です。この解約予告期間に加えて押さえておきたいのが原状回復工事のスケジュールです。一般的な住居と異なり、オフィスは原状回復のための工事も契約期間内に行なう必要があります。そのため、契約終了日までに退去すれば良いという訳ではなく、退去後、契約終了日までに原状回復工事を行わなければいけません。
この工事にかかる期間が約1ヶ月。そのため、5月に新しいオフィスを開設するためには11月末が意思決定のタイムリミットと考えられるのです。

また、入居工事も原状回復工事と同じように、契約期間内に行わなければいけません。こちらも合わせて押さえておきましょう。11月に現在入居中のオフィスの解約予告を提出、4月に新しいオフィスの入居工事をし、5月に業務開始、そして5月にそれまで使用していたオフィスの原状回復工事完了、というスケジュールが年間を通して最も多くなっています。
解約予告期間は当然契約により異なります。まずは現在入居中のオフィスの解約条件を確認しておきましょう。

スケジュールを確認したら気になるのは移転にかかる費用のこと。次にオフィス移転に必要な諸経費をお伝えします。

新しいオフィスへ移転するために必要な費用はどれくらい?

オフィスの移転には、そもそもどの位の費用がかかるのでしょうか。具体的にどの項目にどれ程のコストが必要になるのか念頭に入れておきましょう。

敷金(保証金)

一般的には賃料の10~12ヶ月が相場
現在入居中のオフィスの契約によっては、敷金の中から賃料の数ヶ月分(あるいは敷金の数%)を償却費として差し引かれる場合があります。また、返還も貸主への債務が終了してからとなるので、原状回復工事や新しいオフィスの敷金に現在預けている敷金を充てることができないので注意が必要です。

原状回復費

1坪当たり 40,000円程度
この工事は、貸主の指定の工事業者で行うのが通常です。こちらの単価はあくまでも標準的な仕様のオフィスの原状回復費です。オフィスの仕様によっては金額が高くなる可能性もあります。

入居工事費

1坪当たり 40,000円程度
あくまでも標準的な仕様のオフィスの入居工事費です。この工事は、貸主の指定会社で行うものと自分たちで選定した会社で行うものがあります。仕様によっては金額が高くなったり工事期間が長くなったりする可能性がありますので注意しましょう。

引越し作業費

社員1人当たり 50,000円程度

その他費用

新しい什器の購入費、住所変更による名刺や封筒、会社案内など印刷費、システム構築費や仲介手数料なども移転時に発生する費用です。これらの項目も忘れずに見積りましょう。

まとめ

5月に新しいオフィスの開設を検討しているなら、今すぐに準備に向けて動き出さなければいけません!まだまだ先のことと油断せずに、契約内容の確認やコスト試算をしっかり行い、納得のオフィス移転の第一歩を踏み出しましょう。

※お断り:本記事でご紹介した費用は標準的なオフィスの移転実績を基にはじき出した概算です。工事内容やビルオーナー様の考え方等多くの不確定要素が組み合わさって決定される事項ばかりですので、一つの目安としてお使い下さい。