テレビ会議システム、使っていますか?
賢く使って、コストも時間も効率的にカット!
各地に拠点を持つ企業にとって、拠点をまたいでの情報共有やコミュニケーションは必須。とはいえ、会議や打ち合わせの度に出張することはコストだけでなく時間の面でも難しい問題です。出張費や移動時間をかけずに、離れた拠点間と情報共有を密にとれないものか・・・。
そんな悩みを解決する手段として、テレビ会議へのニーズが高まっています。
テレビ会議システムの普及
一般的にテレビ会議と呼ばれるシステムには技術的な分け方と利用形態で異なりますが、大きく分けると、テレビ会議とWeb会議に分類されます。一般的にテレビ会議は端末も回線も専用のものを使います。画質や音質が良く、相手の表情や向こうの会議室の雰囲気まで読み取れるので2本社制を採用している大企業の役員会などに使われることが多いようです。
Web会議とは基本的にインターネット回線を使い、利用端末もデスクトップパソコンやノートパソコン、タブレット、最近ではスマートフォンなどを使って行います。テレビ会議ほど画像も音声も鮮明ではありませんが、アプリケーションによってはエクセルやパワーポイント、CAD図面などを表示できるのでプロジェクト会議や本社と工場の打ち合わせなどには便利です。
実はこのテレビ会議、一時は消えかけた技術なのです。
テレビ会議システムの歴史
テレビ会議というテーマでNTT(電電公社)が製品開発を進めたのは1980年代と言われています。さらにインターネットが一般に開放された1990年代の初頭から、IBM、シスコ、ゼロックスなど多くの企業がインターネットを使ったWeb会議の研究に取り組みました。
しかし、当時の最先端技術を駆使して開発・製品化されたこの技術は10年近くさっぱり売れませんでした。当時のインターネット回線の不安定さから音声が途切れたり、画像が乱れることが多く、そのため音声だけによる電話会議と比べても大きなメリットを感じない人が多かったのです。
特に日本は米国のような広大な国土を持っているわけでも、欧州のように各拠点がそれぞれ異なる国というわけでもないので、「ビジネスは会って顔を見ながら話す」、という考えが根強く、経営会議や役員会議など会議のために出張することが一般的でした。
ですから、グローバルでビジネスを展開している外資系企業にも、日本の大手企業にもヒトデのような形をした電話会議システムはありましたが、テレビ会議を採用している企業は少なかったのです。
そのため、このテレビ会議を提供する多くの企業は事業撤退や倒産で消えていきました。
様々な課題を解決し、いま再び注目されるワケ
しかし、このテレビ会議システムは2000年代後半から再び脚光を浴びることとなります。普及のきっかけは意外にも不況と感染症でした。
2007年の米国から始まったサブプライム問題と、その延長であるリーマンショックは日本経済にも大きな影響が出ました。そして2009年に全世界で猛威をふるったインフルエンザは「パンデミック:爆発的感染」という言葉を普及させる程の社会的な影響が出たのです。このふたつの影響によって、企業は長期にわたって出張を自粛し、その結果、会議や集合研修はオンライン化へと一気に進みました。
現在では、一度事業撤退した企業も事業を復活させるほど普及が進んでいます。インターネット回線の高速化や安定化によって普及を阻んでいた音声や画質の問題をかなり解消され、ハイエンドの製品では驚く程の画質と高い音質を実現しています。さらにクラウドの出現によってサーバなどへの初期投資を少なくする選択肢も増えたことで、導入企業数の増加は一気に加速しています。
また、技術的にも進化し、Web会議でも大型の液晶パネルに繋いで利用できるようになり、解像度も改善されました。一方、テレビ会議も画像の他に資料なども映せるようになったので、両社の垣根はほとんど無くなってきています。
広がる活用の場面。導入によってもたらされるメリットと将来
日本企業でも、役員会議など限られた会議での利用から、今では少人数での会議や、複数の拠点や工場間、複数の企業との打ち合わせなど多くの場面で使われる機会が増えています。ザイマックスグループでは、東京2拠点、名古屋、大阪、福岡の計5拠点に導入し、一日一回のペースで使用しています。一度に一拠点10名程参加できるので、出張費や移動時間が削減できていますし、離れた拠点間での円滑なコミュニケーションに役立っています。
業種で見ると、経営コンサルティングファームや監査法人、弁護士事務所などではテレビ会議システムを活用するところが多いようです。また社内研修なども、コストの高い集合研修に代わってテレビ会議を使った研修が増えています。これも当初はパソコンのアプリケーションなどの研修や英語などの研修に限定して使われていましたが、今後はリーダー研修、営業研修、新入社員研修など利用範囲が拡がるでしょう。
さらに今後は、様々なワークスタイルや雇用形態、プロジェクトの運用形態を反映した使い方が増えてきます。会議室と海外の出張先と自宅を結んだテレビ会議というスタイルも増えてくるでしょうし、国内社員と海外赴任中の社員や外部プロフェッショナルが混在したプロジェクトなどでは、大いに活躍するはずです。もう時差のある会議のために早朝や夜中にオフィスに行く必要は無くなり、スマートフォンやタブレット端末で自宅や海外から参加できるのです。
さらに顧客やユーザーとのイベントもオンライン化する傾向があり、海外では既にオンラインセミナー(ウェビナー)も普及し始めています。
活用方法によって、可能性が拡がるテレビ会議。未来を見据えて投資をしていきたいものです。