「無線LANを使いたい!」
でもセキュリティは大丈夫?
仕事の効率化と安心なネットワーク環境の両立
- 業種
- 販売会社J社
- 従業員数
- 45名
- 坪数
- 120坪
背景・課題
一般家庭で普及しているのに、ビジネスシーンではあまり導入されていない無線LAN。
利便性には注目しているが導入に踏み込めないのは、セキュリティ面に不安があるからという担当者様の声を多く聞きます。
そもそも無線LANにはどのようなリスクがあり、導入に際してどのように考えたらいいのでしょうか?実際の導入事例をもとにそのヒントを探りました。
「無線LANにしたい!」社員の声を受け導入を検討・・・
今回は無線LANを導入したJ社のK氏に、導入までの経緯と活用方法を伺いました。
「当社では、ノートパソコンや携帯端末を持参して会議や打合せを行うことがほとんどです。資料の閲覧や変更をその場で加えることができるという便利な反面、会議室に引いてあるLANケーブルの数が足りず、ケーブルの取り合いになったり打合せが中断されることも多く、社員から不満の声が上がっていました。
私自身も社内のレイアウトを変更した際、LANケーブルの配線によってレイアウトに制限が出て苦労したという苦い経験もあり、無線LAN導入を進めたいと考えていました」
立ちはだかるセキュリティの壁
社員からの要望を受け、事務所の移転を機に無線LANの導入を検討することになりました。しかし、私自身こういった分野には恥ずかしながら詳しくなくて・・・いろいろ自分で調べてみたり教わったりしたところ、無線LAN導入に際しての大きな課題は、とにかくセキュリティ対策ということだったのです。
外部からの不正なアクセスや、データの持ち出しなどなど、いくら詳しくない私でもその重大さは理解できます。無線LANを導入するメリットはわかっていましたが、無線LANにすることによって生まれるリスクを考えると、導入したくないというのが本音でした。ただ、社員からの要望もありましたし、ネットワーク環境をどう整えたらいいのか・・・なかなか導入を決断できずにいたんですよね」
解決策
そもそも無線LANって何?
そもそも無線LANとは、物理的にLANケーブルで接続していたものが電波に置き換えられたもので、文字通り線がなくてもネットワークに接続できます。
有線LANは、LANケーブルをPCに直接繋ぐことでネットワークにアクセスすることができます。一方無線LANは、アクセスポイントと呼ばれる電波中継機(無線LANのアンテナのようなもの)に回線を繋ぎ、そこから電波が発信されています。その電波を通じてネットワークに接続することができるという仕組みです。
LANケーブルが不要になる分、利便性は高くなりますが、電波によって通信するという特性上、通信速度や安定度は有線よりも落ちます。また、第三者によって不正アクセスをされる危険性がありセキュリティを万全にする必要があるのです。
このような利便性とリスクの問題で頭を悩ませていたK氏。J社では結局、どのように導入したのでしょうか?
ポイントは有線・無線の使い分け。セキュリティ対策も万全に
「いろいろと検討した結果、全てを無線LANにする必要もなかったので、部分的に導入することにしました。デスクでは従来どおり有線を使いました。セキュリティ面で安心というだけでなく、通信速度も速いですし安定しますからね。
無線LANは、社員の要望どおり会議室に導入しました。無線LANにしたことで、打合せもスムーズに進むようになり、以前の不満も解消されました。社内LANには特定のPCからしかアクセスできないように設定し、セキュリティ対策も整えました。
今回、有線と無線をどの場所で利用するかを切り分けることによって、業務効率とセキュリティ面を考慮した上で最適な方法がとれたのではないかと思っています。社内からも上々の評判を得られました」
J社は部分的に導入することで快適な業務環境を作ることができました。
このように無線LANの特性を理解した上で、どこに無線LANを導入するか、有線LANを残しておくべきなのか、部署や働き方に合わせて検討しましょう。
非常に便利な無線LANですが、一方で、傍受(盗聴)や不正アクセス、なりすましなどの危険性があります。こちらにつきましては総務省のホームページをご覧下さい。
無線LANのメリット・注意点を十分に理解し、安全で快適なネットワーク環境を作りましょう。
- ぎゅっと詰まったインフォニスタのノウハウ!
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無線LAN導入のメリット・注意点とは!?
【無線LANのメリット】
- レイアウト変更時の配線のわずらわしさが減少する
- 社内でパソコンを持ち運び業務ができる
- スマートフォンやタブレット端末など、有線LANのポートがない機器でも接続可能
【無線LAN導入時の注意点】
- 無線信号は暗号化されているものの、無線LANアクセスポイントの設定によっては、解読されてしまう場合がある
- パーテーションなど障害があると、電波が届かなかったり、通信が安定しないことがある
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社内LANにアクセスできるゾーンでは、外部からの不正アクセスを防ぐため、セキュリティを強固にする必要がある
⇒接続できるPCに制限を持たせる、アクセスポイント名を外部に表示させない など - 無線は有線よりも速度が落ちるため、使用人数とそれにあった回線の種類を慎重に選ぶ必要がある
- パソコン内の無線LANアダプタの規格が古いと、高速の無線を使えないこともある