オフィスマーケットを読み解く!
新規供給予測を上手に活用する方法とは?

業種
情報処理サービス業(システムインテグレーション)C社
従業員数
50名
坪数
150坪

背景・課題

オフィスの賃貸床面積の新規供給予定量はあくまでも想定に基づく予測であり、計画決定時や着工時点でのデータも含まれているため、通常、正確な把握は難しいとされています。しかし、そうした新規供給の情報を上手く活用し、オフィスの移転に成功している例があります。

なかなか条件を満たす移転先が見つからない・・・

3ヶ月程前、一部上場企業に買収されたC社は、「一部上場企業のグループ企業にふさわしいオフィスに移ってほしい」という親会社の意向に基づき、長年入居していた古いビルを離れることに。移転担当者となった総務部のY氏は次のように語ります。

「2012年の移転をイメージして移転準備に取りかかったのですが、一つ大きな制約がありました。それは、取引先の関係上、新宿区を離れるわけにはいかないということ。加えて、将来を見据えて300坪程度の広さは確保してほしいという親会社からの要望もありました。そして、その条件を満たす物件がなかなか見つからなかったのです」


まったく前進しない状況の中、泣く泣くエリア変更も視野に

画像 新宿区には2012年に大型の新築テナントビルが竣工予定であり、それは当然Y氏の耳にも入っていました。しかし、いくらエリアや広さといった条件面はクリアしていても、新築で、しかも話題性も高いビルとあって、C社の予算を遥かにオーバーしていました。

「当たり前の話ですが、賃料のことを度外視すれば、その新築ビルで決まりだったと思います。しかし、私たちは賃料もなるべく抑えたいということで坪単価15,000円程度を予算の目安としていました。結局、新宿区ではなかなか条件に合う物件が見つからず、かなり不便になることは覚悟の上で、エリア変更も視野に入れ始めていました」(Y氏)



解決策

ピンチに陥った担当者を救った、「二次空室を狙う」という発想

行き詰まったY氏は、物件検索の際に利用していたザイマックスインフォニスタに問い合わせをしたところ、数日後に営業マンと会うことに。面談の席で希望条件を一通り伝えたところ、インフォニスタの営業マンの口から出てきたのが、「移転時期は2012年ですよね?まだまだあきらめなくていいですよ」という一言でした。戸惑うY氏に向けて、さらに「例の新築ビルは賃料が高く、お伺いした条件では確かに厳しいと思います。それならそのビルの二次空室を狙いましょう」という言葉が・・・。

二次空室?最初は何のことかさっぱりわからなかったY氏でしたが、次のような営業マンからの説明を聞き、まさに目からウロコといった心境でした。


オフィスの新規供給予測を武器に、賢く移転に成功

「二次空室とは、入居していたテナントが新築ビルへ移転したことに伴って空く部屋のことです。新築に移転するような会社は業績が好調なため、もともと高いグレードのビルに入居しているケースが多いんです。ということは、自ずと御社の条件に見合う可能性も高いはずです。そもそも、この話をしたのには理由があって、2012年には過去10年で最大規模の新築オフィスビルが供給されると予測されているんです。もうすでに2012年に新築オフィスへの移転を決めている会社も知っていますので、現在のオフィスが募集開始時期になったらすぐにご案内します」

思ってもいなかった話を受け、Y氏はさっそく親会社にその報告を行い、じっくりと腰を据えて空室が出るのを待つことにしました。その後、いくつか条件に合った移転候補ビルの提案をもらい、現在はオフィス選定の最終段階まできている状況です。Y氏は「まさに裏側を知り尽くしている、インフォニスタの営業マンの情報量に尽きます」と締めてくれました。


ぎゅっと詰まったインフォニスタのノウハウ!
新規供給があるエリアは、「二次空室」も発生する可能性大!

過去10年で最大規模の新規供給量が予測される2012年。2009年時点での2012年オフィスの新規供給予定面積は約25万坪でしたが、その後の1年間で12万坪増加・・・これは2009~2011年に完成が予定されていた工事が景気の悪化により遅延し、2012年に集中したからだと考えられています。これらのデータは通常なかなか把握することが難しいとされていますが、ザイマックスグループでは一部現地調査も含め、独自にデータ収集しています。

新規供給があるエリアに限らず、比較的広範囲にて二次空室が発生するかもしれないので、ターゲットエリアを決め、希望に近いビルにて空室が出た際、すぐに一報が入るように営業マンにお願いしておきましょう。2012年の詳しい動向は今回の関連コラムをチェックしてください。