赤坂に恋するコラム

今、赤坂が再開発で熱い!

文 : 釜井 知典

港区赤坂というと、大使館が豊富で国際色豊かなビジネス街として知られる地域。東京ミッドタウンやアークヒルズなど大型の物件、高級ホテルなどが豊富なエリアでもあり、外資系企業にも人気です。その反面、青山や表参道、六本木などに近接していることから華やかさにも恵まれており、大人にふさわしい洗練された雰囲気も併せ持っています。このような雰囲気から、賃貸オフィスを赤坂に移転したいと考える企業も多いでしょう。

そんな赤坂の魅力が、港区という立地。銀座や渋谷、有楽町など各方面へのアクセスも容易な地域で、赤坂駅・六本木駅・赤坂見附駅・溜池山王駅・永田町駅・乃木坂駅などが利用可能。乗り入れ路線も東京メトロ(千代田線・日比谷線・銀座線・丸の内線・南北線)や都営地下鉄都営大江戸線といったアクセス利便性の良さも、赤坂で事務所を構える魅力といえます。

さらに近年は、六本木・虎ノ門といった近接エリアでは国際競争力強化に向けた再開発も活発化しており、今後の動向からも目が離せません。外国人が過ごしやすい国際基準の賃貸オフィスやカンファレンス施設、マンションなども続々と増えており、赤坂でも同様の動きが見られます。

また、赤坂や虎ノ門といったエリアは江戸城に近かったことから、武家文化や歴史と深く関わりのある地域でもあり、観光視点からその魅力を発信するスポットも望まれています。

武家屋敷の建ち並ぶ街から、銀座と並ぶ繁華街へと変わった赤坂。そして今の赤坂は、どんな街へと変わろうとしているのでしょうか。

2017年9月に誕生した「赤坂インターシティAIR」

“都市を結ぶ”大規模複合型オフィスビルとして、2017年9月に誕生した「赤坂インターシティAIR」。コンセプトは「世界から選ばれる国際都市東京の顔」とされており、緑化率50%以上にも及ぶ緑豊かな癒しに満ちた賃貸オフィスです。

対象地域は港区赤坂一丁目に位置する溜池山王駅周辺エリアで、約2.5haもの広大な敷地を使用して再開発が行われました。

「AIR」とは「赤坂一丁目再開発(Akasaka Icchome Re-development)」の略でもあり、虎ノ門方面とつながる約850メートルの西側起点となる場所でもあります。

また、国際色豊かな赤坂にぴったりなカンファレンス施設の設置や英語対応可能なクリニック・託児施設といったアメニティ整備も充実している賃貸オフィスで、虎ノ門とともに“国際都市東京の顔”としての役割を果たしてくれます。

災害時に備えて、帰宅困難者の一時避難スペースや非常電源の確保、防災備蓄倉庫などが整備されていることも特徴で、BCP(事業継続計画)対策を心がける企業にもおすすめです。

最大の目玉ともいえる緑地を活かしたレイアウトも魅力的といえ、2階のオフィスラウンジでは季節の移ろいを感じながら来客をもてなしたり、アイディアを出し合ったりすることが可能。1フロア約780坪と大変広く、開放的なパウダーコーナーやリフレッシュスペースが設置されているなど共用部もゆとりある設計が取り入れられています。

日本の歴史・文化を発信する「(仮称)赤坂二丁目プロジェクト」

一丁目と同様に、国際競争力強化に向けて赤坂ツインタワー跡地で進められているのが、「(仮称)赤坂二丁目プロジェクト」です。

特徴としては、赤坂の歴史や文化を発信し、外国人が滞在できる施設や観光情報・移動手段の提供。そして、歩行者ネットワークや緑地、防災性の向上などが挙げられます。

建設されているのは地上43階地下1階の約210メートルの物件で、用途としては事務所やホテル、サービスアパートメントなどが含まれています。工期は2019~2024年となっており、東京オリンピックの4年後に完成する予定です。

このプロジェクトは、虎ノ門4丁目で建設されている「東京ワールドゲート」と連動しており、日本の伝統や歴史、文化などの発信拠点としても活躍することでしょう。“観光先進国”を目指す日本の成長戦略実現に向けて、地域資源である「江戸型山車」の修復・展示なども行われる予定で、ほかの再開発とは少し趣向の違ったプロジェクトといえます。

観光で訪れた外国人がくつろげるホテルや、賃貸オフィスを利用する外国人が過ごせるサービスアパートメント、店舗などが含まれていることにも注目です。まだ詳細は明らかになっていませんが、完成予定の2024年が今から楽しみです。

赤坂周辺で進められる再開発にも注目!

この他にも、赤坂では赤坂プリンスホテル跡地の再開発で建設された「東京ガーデンテラス紀尾井町」や、近接する「虎ノ門二丁目地区第一種再開発計画」などにも注目が集まっています。

「東京ガーデンテラス紀尾井町」は「(仮称)紀尾井町計画」という名目で進められた再開発で、賃貸オフィスやホテルを中心とした紀尾井町タワーと賃貸マンションの紀尾井レジデンスの2棟で構成されています。

2016年7月にオープンしたまだ新しい施設で、【豊かな自然、文化、歴史】の3つがテーマ。野生生物が住みやすい環境整備が特徴といえ、公益財団法人都市緑化機構より「都市のオアシス」にも認定されています。

賃貸オフィスは1フロア1,000坪超と大規模で、断熱性の高いLow-e複層ガラスやセンサー付きLED照明を使用するなど機能面・環境面にも配慮されている物件です。

一方の「虎ノ門二丁目地区第一種再開発計画」は、老朽化した虎の門病院の機能更新、外国人ビジネスパーソンやその家族への支援などを目的としており、今後港区でも重要となる施設。事務所や店舗を含む業務棟とアネックス棟、そして病院棟の3構成で、全体が竣工するのは2024年の予定です。

六本木や虎ノ門と連動して大規模な再開発が進められる赤坂は、今後の動向が見逃せないエリア。「東京ガーデンテラス紀尾井町」や「赤坂インターシティAIR」といった物件に次いで建設される、新たな賃貸オフィスにも期待が高まります。

文 : 釜井 知典

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