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いまどきの移転担当者の実態が分かる

移転担当者白書

レイアウト・引越し

引越し後に気づくこと

入居後に多いクレームは、空調や喫煙について

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新しい事務所に引越ししたあとも、移転担当者は大忙し。内装、電気、電話・LAN回線工事がうまく完了してスムーズに業務が始められるか、多岐に渡るチェック事項が待っています。また、新しい住所での名刺や会社封筒の準備や、郵便物の転送などの漏れがあると、あわてて事務手続きをしなければなりません。まずは、引越し後スムーズに業務開始できることが最重要事項。「電話が通じない」というトラブルは業務の支障が大きいため、最も避けるべきで、特に注意しているという声が多く聞かれました。

移転がミッションであれば引越しで任務終了となりますが、総務担当者としての役割はこからが本番。引越し後早々、事務所に関するクレームに悩まされることもあるようです。よくある引越し後のクレームは、空調について。とくに窓側に近い席では外気の気温の影響を受けやすいことから、どうしても暑くなったり、寒くなったり・・・ということがあります。空調方式や風量など、窓側を想定して設計されているとはいえ、オフィスレイアウトを考えるときには、窓際にどんな席を持ってくるか考えることは大切でしょう。

最近は「喫煙」問題も悩みのタネ。ビルの共用部に「喫煙室」を用意している賃貸オフィスビルは未だ少なく、事務所内に喫煙室を設置する余裕がある会社もそう多くはなく、結局ビルの駐車場区画まわりや外構まわりで社員がタバコを吸い、入居する他のテナントや近隣住民からのクレーム対応に奔走することも・・・。そもそも物件を決める前に、これまで事務所で定常的に社員がタバコを吸っているようであれば、移転先で「喫煙室」、あわせて「リフレッシュルーム」を事務所の中に用意するのかを検討し、設置しないなら「ビルのどこでどう吸えるのか」は確認しておきましょう。

朝9時~夕方6時までとして、平日は9時間、一日の起きている時間の半分以上を事務所で過ごすわけです。したがって、事務所移転の成功は、引越し後の“快適性”にかかっているといってもいいでしょう。以下のようなことも十分考慮して物件を選びましょう。

<テナントの声:入居後の不満>

  • 空調が効きにくい、温度ムラができる
    窓際に空調の吹き出し口がないため、空調が効きにくく、温度ムラができるようです。物件選定では、見た目に目が行きがちですが、もっと空調の性能について確認した方が良かった。(目黒区・ソフトウェア開発)
  • 喫煙所がない、たばこの臭いが気になる
    外にたばこを吸いに行くのが面倒です。かといって、社内につくる余裕もないし・・・。(千代田区・不動産関連)
  • エレベーターが遅い
    他のフロアで、荷物の搬入が多いテナントさんが入居していて、エレベーターがそのフロアでよく止まっています。台数は足りているはずなのにエレベーターが来るのが遅くて。(新宿区・IT系)
  • 他階入居テナントとのトラブル
    下の階のテナントは入居人数が多く、トイレを他の階に使いに来たりするため、トイレが混雑します。しかも、使い方のマナーが悪いのも気になります。(中央区・金融系)
  • 共用部に物を置けない
    受付の電話台を共用部の廊下に置こうと思ったら、ビル側の不動産会社にダメだと言われてしまいました。スペースに余裕もあるし、フロアに1社だけだからいいと思ってました。(豊島区・専門商社)
  • その他、特に1階に店舗が入居しているビルでは・・・
    コンビニ前に自転車やタバコを吸う人が溜まって、雑多なビルの印象を受けてしまうのが気になります。(品川区・レジャー関連)
    飲食店舗とオフィスの導線が同じで、夜間・休日も正面休日もオープンしているので、事務所フロアのセキュリティが気がかりです。(中央区・システム開発)
    飲食店舗の臭いが強すぎる。(渋谷区・小売)

<調査対象> 2010年以降にオフィスを移転したテナント134社